アルミニウムの歴史

アルミニウムは、天然の金属ではなく、結合力の大きい化合物として地殻中に存在し、なかなか見つかりませんでした。(ちなみにアルミニウムは地球上で酸素46.6%、珪素(ケイソ)27.7%、アルミニウム8.1%と3番目に多い元素なのです。)ですから比較的発見も新しく、新金属とも言えるのがこのアルミニウムなのです。それでは、アルミニウムの歴史にご案内します。

1782年 フランスの科学者ラボワジェ(質量不変の法則で有名)
明ばん石(ばん土、今日のアルミナ)は酸素との結合力が強く、還元が難しい金属酸化物の可能性が大きいという説を発表。これをアリュミーヌと命名
1807年 イギリスの電気化学者デービー
明ばん石を電気分解してアルミナを得て、この未知の金属をアルミアム(Alumium)と命名(これが現在のアルミニウムの語源)
2年後にも赤熱した鉄と酸化アルミニウムを電弧溶解し、鉄とアルミニウムの合金を作るのに成功。
1821年 フランスの科学者ベルチェ
南フランスのボー村でボーキサイト(アルミニウムの原料)を発見
1825年 デンマークの電気物理学者エルステッド
アルミナから合成した塩化物にカリウム水銀化合物を加え熱するという化学的方法を考案。※史上最初のアルミニウム分離に成功。
1845年 ドイツの化学者ベーラー(デービーの助手)
カリウムでアルミニウムを分離。アルミニウムの軽くて、空気に安定する等の基礎性質を明らかにした。
1856年 フランスの化学者ドビル
化学還元法でアルミニウム製錬を開始
1870年 ベルギーのグラハム
電気を多くつくる発電機を発明
1886年 アメリカのホール
電解製錬法を発明
フランスのエルー
ホールより数か月遅れ電解製錬法を発明
電解製錬法「ホール・エルー法」確立(二人の名を取る)
1888年 オーストリアのバイヤー
湿式アルカリ法によるアルミナ製造法を発明。ホール・エルー法とあわせて、現在のボーキサイトからアルミニウムまでの製造法が確立される
1894年 日本で初めてアルミ製品が製造される
(軍用の帯革や剣吊の尾錠)
1897年 日本の民間で初めてアルミニウム板の生産開始される
(日本のアルミニウム工業はここから始まります)
日本でアルミニウムの鍋・水筒・弁当箱等製造される
1917年 日本で初めてダイカスト生産開始
(ダイカストとは、ダイスを内側に付けた圧力式の自動鋳造機で能率よく鋳物製品を作り出す方法)
1919年 日本で初めてジュラルミン製造開始 (日本の航空機生産に大きく貢献)
1920年 日本で在来の銅線に代わるアルミニウム送電線として銅心アルミニウム電線(ACSR)製造開始(わずか15年で送電線の90%まで普及)
1926年 日本でアルミニウム粉の製造開始
(塗料・花火・火薬などに使用)
1929年 日本で初めてアルマイト処理方法が発明される
1930年 日本で初めてアルミ箔の製造開始
1936年 日本で超々ジェラルミン(飛行機などに使われているアルミニウム)が開発される
1970年 世界のアルミ消費量が1000万tを超える(ちなみに日本は160万t)
1987年 日本のアルミ消費量が300万tを超える
1995年 世界のアルミ消費量が2000万tを超える(ちなみに日本は400万t)

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